制服・健康保険証を返却させる方法
制服や健康保険証が未返却である場合、督促だけでなく、返却をせざる負えない状況を用意し、円滑に回収が出来るようにします。
保険証や貸与品がある場合、回収困難な状態にならない環境整備が重要。
手続きの過程で音信不通等の連絡がつかなくなる行為は、意志確認や貸与品の返却等が困難となる最も厄介な退職のされ方です。しかし、退職に至る過程がどのような辞め方であっても貸与品の返却や離職手続き、健康保険証の必要な手続きは確実に実施しなければなりません。このためには、単に督促を行うだけでなく返却せざる負えない状況を残しておくことが円滑な回収に繋がる場合もあります。
・返却を促す機会
・退職金の支払
正社員等の退職金がある社員においては、予め制服や健康保険証などの貸与品の返却期限を設け、返却確認を条件に振込を行うことを案内します。連絡がつかないなど、退職金の支払時期までに返却が確認出来ない場合には、現金で用意し、直接手渡しとすることで返却と交換に支給します。※
・最終給与の扱い
アルバイト等の退職金がない社員では、最終分の給与支払いまでに貸与品の返却を案内します。返却が確認出来ない場合には、現金で用意し、直接手渡しとすることで返却と交換に支給します。※
※給与等の支給日は変更できません。
就業規則や雇用契約等により給与日等の予め定めた日に支給しなければなりません。現金で用意する場合であっても、給与日に用意しておき渡せる状態にしておくことが重要です。
また、制服を返さないという理由で勝手に給与を差し押さえる行為は行うことが出来ません。あくまで手渡しによる支給方法により、確実に制服等が返却されることを促します。
・離職票の発効
給与等の未払い分がない社員にあっては、離職票の発効を制服等の返却確認後に行うことを案内します。返却がなされない場合には、離職票を手渡しとして返却と交換とします。
・督促による方法(内容証明・配達記録郵便による連絡)
連絡がつかない社員では、最終分の給与や退職金を現金で用意し返却を促そうとしても、それ自体を伝えることが出来ない場合もあります。単に返却を促す場合や、交換とする給与等の残がある場合何れの場合でも内容証明・配達記録郵便を用いて督促を行います。
・督促を内容証明郵便で行うことの効果
内容証明・配達記録郵便は、単に後に紛争と発展した際に有力な証拠として扱われるだけでなく、相手に対して心理的なプレッシャーを与えることができ、返却を促すことに繋がる場合があります。しかし、会社に大きな反感を抱いての退職である場合、逆効果に働く場合もあるため、退職に至った経緯や相手の人間性を含め、記載する内容を十分に検討して用いる必要があります。
また、配達記録郵便を用いることで、文書が確実に相手に到達したことを確認することも出来ます。
・貸与品を返却しないことによる法的な措置
貸与品が未返却である場合、民事訴訟による損害賠償請求(少額訴訟)を行うことが出来ます。しかしながら、制服等の貸与物で訴訟等を検討することは労力に見合わないというのが現実です。なるべく法的措置以外の方法で解決をはかり、それでも困難な場合には鍵等の防犯上の影響があるものについて鍵の交換等の検討を進めます。
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